💍のブログ

そこらへんの医大生が、なぜかSMAPをはなす

SMAPが「すごい」ワケ

                        

  • やんちゃなSMAP

SMAPがジャニーズらしくないテレビスターだった、という話は以前も書いた。しかし決してアイドルとして若いとは言えない彼らになぜ惹かれるかは、まだあるように思う。

そのひとつは、彼らがいつまでも子ども心を持っていたというところだ。

あの業界に少年の頃からいた彼らは、必ず芸能界の暗い部分を見てきたはずである。でも彼らにひねたような部分はこれまで感じなかった。そんな彼らが経験したであろう暗い部分が表に出なかったこと、そして時に無邪気な少年のような言動をしていたところ、それがすごく魅力的だと思った。

勝負ものはいくつになっても本気だし、自分たちが絶対に勝つと思っている。普段は「もうおじさんだから〜」みたいに話していてもこういう場面では自信家でギラギラしているところがすごく好きだった。チャレンジものは中居くんも言っていたが悔しくて後に引けなくなるし、実際達成させてみせる。勝負に勝ったりチャレンジに成功したら10代の頃に戻ったかのように無邪気に喜ぶ。そんなSMAPが大好きだ。こういう時にはアイドルのかっこよさを見せてしまうSMAPが。

今やそんな風なアイドルはあまりいないと思うが、SMAPは私にとってちょいワル感のあるジャニーズアイドルだった。(というかSMAPあたり以前はみんなそうかもしれない。)もしかしたら私は、優等生よりそういうヤンチャなアイドルが好きなのかもしれない。

次に、SMAPはとても勤勉であった。私はSMAPほど働いているアイドルを知らない。若い頃から最後まで、尋常じゃない働き方をしていた。それは本人たちも認めているし、とてもではないが普通のアイドルに耐えられるものと思えなかった。夜中から夜明けまでコントの撮影をしたり、ライブとライブの間にバラエティ撮影に行ったり…いくら今をときめく人気者でも、SMAPほど働くジャニーズアイドル、いや芸能人は稀だと思う。どれだけ登り詰めてもストイックに各方面で働いている姿は、人として尊敬せざるをえない。この勤勉さも彼らが大きくなった理由の一つだと思う。

次に、SMAP洗練されていた。若い頃の写真を見てもずば抜けて顔が良いのはもちろんだが、なんというか、大人な雰囲気があった。ある程度前のジャニーズとそれ以降のジャニーズを比べると、どちらかというと前者が大人なイメージなのも一つあるかもしれない。

でもSMAPは大人な雰囲気というだけでなく、大人の色気があった。デビューから数年経ったくらいの映像にはもう既に色気を感じた。顔も表情も体つきもそうかもしれないが、SMAPから溢れ出すあのオーラにとてつもなく鳥肌がたった。あれがどこからくるものなのか、未だに分からない。

さらにビジュアルだけでなく、音楽も昔から$10などの大人でカッコいい曲や、Shakeダイナマイトなどの音楽通にも高く評価されたポップスとファンクの融合した音楽と言ったように、かなり洒落ていた。

またビジュアルに関してはマネージャーがファンを飽きさせないよう彼らの写っている雑誌に徹底的に目を通して戦略を練っていたという話も聞くし、とても頭が上がらない。

  • SMAPがバラエティ担当だけで終わらなかった理由

そしてSMAPといえばテレビの各方面での開拓が1番に挙がるかもしれない。

もちろん今となってはジャニーズのバラエティも普通だし、コントのようなものをしたりすることもあるとは思うが、正直SMAPのコントやバラエティは尋常じゃない。色々な意味で、だ。クオリティが高いのはもちろんだが、あそこまでしていいの?とこちらが心配になるくらい顔を酷く汚く施し、アイドルとは思えぬ変な顔をして、怪我寸前まで体を張っていそうなこともあった。こちらにもヒシヒシと伝わってくる全力さだった。あまりにも振り切っていた。

今そう言った方面で活躍しているアイドルでも、私はSMAP以上にアイドルという身を削ってやっているアイドルを知らない。それに彼らほど「優等生」と程遠いアイドルも知らない。彼らの道のりが優等生とは程遠かったのはもちろんだが、先程書いたようにヤンチャな6人だったし、ちょっとした受け答えでも笑いをとりにいくことが多々あり、「笑われたいアイドル」みたいなところがあった。 ジャニーズ特有(と当時私は勝手に思っていた)の「王子様スマイル」「優等生キャラ」みたいなものを全くと言っていいほど感じなかった。むしろ反対である。 SMAPがアイドルのバラエティやコントという方面の道を切り拓いたのは言うまでもなく多くの日本人が知ることだろう。しかしSMAPがすごいのはそれだけではない。

SMAPがさらにすごいのは、彼らがそれだけいわゆる汚れ役をやっても、どれだけ捨て身でコントをやっていても、カッコイイ存在として憧れられ続けたところだ。もちろんアイドルだから彼らにチヤホヤする人は絶対いる。だがそういう話ではなく、彼らが「ファンでない人からも」そして「同性からもカッコいい存在と見られ続けて来たことがすごいのだ。もちろんそう思わない人、ニヤリイコール芸人として見てる人、さまざまだと思う。それでも「レジェンド」であり人々のSMAPが現れた時の歓声と言えば、彼らがいくつになっても凄まじいものだった。

SMAPはどちらかといえば、白馬の王子様だからファンが付いたというより、その男気破天荒さ、そして大人っぽいようであり子どもっぽいような彼らが、バラバラでありつつもひとつになり躍進しているという印象がファンのつく理由だったように私は思う。 「仲間」「青春」とかそういったイメージである。

SMAPがバラエティ担当で終わらなかったのは、これまで書いて来たSMAPの時折見せる無邪気さや破天荒さ、負けん気、そして溢れる大人のオーラ、さらにそういうもの全てから生まれる迫力が理由だったのだと思う。 そして多くのファンでない人々が今もそんなSMAPを見てそのオーラに圧倒されている。 そして彼らは今でも開拓者として語り継がれ、今も多くの日本人が彼らを求め続ける。SMAPは、色々な世代の人にとって青春なのだ。彼らの歩んできた道のりも、あのヤンチャさも、数々のエピソードも、あらゆることが青春そのものなのだ。それが多くの人の感じるSMAPの魅力の一つかもしれない。

ヤンチャな6人。呆れることもあったとしてもなぜか憎めなくて、いつも気づけば先頭を走っていて、どこまでもどこまでも一緒にいるものだと勝手に錯覚してしまっていた。そんなことあるはずないのに。私の知らないうちに、私たちを楽しませて、いつも優しく手を差し伸べてくれていた。 まだまだ現役のレジェンドでまだまだキラキラしていた頃に忽然と姿を消したから、だからより一層私たちは焦がれるのだと思う。そして今になって彼らの大きさを思い知る。 そう考えると最後までSMAPらしい破天荒だったとも言えるかもしれない。